第9回生寿成熟の会 @動楽亭
<本日の演目>
桂小梅 「転失気」
笑福亭生寿「くっしゃみ講釈」
桂まん我 「替り目」
-中入り-
笑福亭生寿「孝行糖」(ネタおろし)
三味線 佐々木千華
まん我さんはグレーの濃淡が市松模様になったお着物に黒のお羽織。
夜の動楽亭には滅多に行く機会がありませんが、今夜はまん我さんがゲストなので、生寿さんのネタおろしの会に初めて伺いました。
最初に登場しはった小梅さんが客席はどこかでお顔を拝見したことのある方ばかりと言うたはりましたが、こういう若手のネタおろしの会って落語初めてさんなんぞはおいでにならなさそうですよね。
小梅さんは今夜も「転失気」でしたが、枕にこれも落語好きな方には聴き慣れた枕、美術展で知ったかぶりをする婦人の小咄をしはりました。
ルノアール、ゴッホ、マネ、ピカソという順に画家の名前が登場しましたが、「奥様それはマネでございます」の後のセリフが秀逸で「あら、贋作なの!?」というところが、「奥様それは鏡でございます」以上に受けました

噺の展開もたぶん全員が知って聴いてはる訳で、それゆえに可笑しいというところもあり、この雰囲気なんだかほのぼのしていて悪くないな、と思いました。
生寿さんはどこかの会の前座さんとしてしか聴いたことがないので、今夜のようにノビノビと枕をしゃべってはるのを聴くのも初めてでした。
客席の照明を落すとお客さんが寝やすいので明るいままがよいと過日生喬さんと南天さんの協議により決まったそうで、弟子としてはそれを守って、動楽亭の客席は煌々と照らすことにしはったそうです。
昔、三枝(現・文枝さん)さんが繁昌亭で飛び入り出演しはったエピソードや、健康診断で精密検査が必要と診断された一件なども話してはりました。
そうそう!ラベンダーのアロマオイルを加湿器に仕掛けて寝たら、翌朝気持ちよく鼻が通っていたという、アレルギー持ちには耳寄りな情報もありました。
「くっしゃみ講釈」は八百屋さんの店先でのぞきからくりを歌うので八百屋さんがこれ上げるから帰ってくれと言うて、主人公にカボチャをくれるというシーンがあり、そのカボチャはちゃんと持ち帰ったはりました。
また八百屋を取り巻く野次馬さんたちに向かって「明日も同じ時刻に…」なんぞと口走るシーンもあり、私は他の演者さんでは聴かなかったような気がします。
まん我さんは「替り目」フルバージョン

今夜も表面張力シーンは上手に注げたお酒を飲まずに見ていたいなんぞとのたまい、ホンマにコップに山盛りのお酒が目に浮かびます。
何故か今夜は「おっちゃんぼーち」を連呼したはりました。
最近どこぞで飲まない演者さんの方が酔っ払いをつぶさに観察できるので、酔っ払いの演技はうまいと書かれたものを読んだ気がしますが、私はお酒を飲みはると言われている演者さんの方がやはり酔っ払いはお上手やと思います。
まん我さんの酔っ払いはいつも可愛くて、お酒を飲めないせいで酔っ払いに厳しい判断を下しがちな私も微笑ましく見ています

生寿さんの2席目はネタおろし。
今夜は「孝行糖」でした。
なんかこの噺、呆気ないですよね。。。
生寿さんはなんで「孝行糖」やねん!?と言われはったそうですが、「好きやねんからほっといてください」て言うたはりました

生寿さんは生喬さんの一人っ子弟子さんでまん我さんは文我さんの一人っ子弟子、以前たまさんとの会が繁昌亭であった時も前座が生寿さんで、たまさんも福笑さんの一人っ子弟子さんで、それぞれヘンコな師匠に云々と話題になっていたような記憶があります。
今夜もまん我さんが弟子が一人しかいないのでどうしても師匠との関係は親密になると言うたはりました。
生寿さんによると昨年まで福笑さんの独演会の前座はたまさんが務めてはったそうで、やはり弟子が一人やとそのキャリアと関係なくいつまでも前座を務めはったりするもんなんでしょうか。
私が次に行く落語会は来週はじめの太融寺ですが、2日間まん我さんが前座になっています。
ただ私としてはネタ出しされている「平林」も「十徳」もまん我さんのベストに入れたいくらい、まん我さんで聴くのが大好きな噺なので、短い前座噺であろうともそれを主目的に出向きたいと思っています。
- at 00:33
- [あれこれ鑑賞・・・落語]
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